ファミリー層に親しまれている洋食は日本にいつから登場した?歴史について解説

日本で親しまれている洋食とは、ヨーロッパやアメリカから日本に伝えられた料理を取り入れて生まれた、日本独自の文化といえます。

今回は、洋食が広まった歴史や、オムライスやナポリタン、ドリアといった洋食の人気メニューの由来についてもご紹介します。洋食が大好きな人は多いはずです。ぜひこの記事で、洋食に対する知識を深めていきましょう。

日本に西洋の料理が入ってきたのはいつ?

最初に西洋から日本に料理が入ってきたのは、何時代なのでしょうか。

安土桃山時代

ヨーロッパから西洋料理が日本に最初に伝わったのは、16世紀の終わりごろ、安土桃山時代だといわれています。安土桃山時代は、南蛮貿易がおこなわれていました。キリスト教の布教と日本との貿易のため、ポルトガル人やスペイン人が訪れ、それまで日本になかった香辛料を使った料理や、油で揚げる料理が紹介されました。「南蛮漬け」という名前の調理法が今も伝わっています。

かの織田信長にも、宣教師ルイスフロイスが謁見した際、コンペイトウなどの西洋の食べ物が献上されたといわれています。その後日本は江戸時代となり、キリスト教が禁止され鎖国となってしまいます。しかし江戸時代における外国との唯一の窓口であった長崎の出島では、オランダ料理が食べられていたとされています。

幕末から明治時代

江戸時代の末期、17世紀末ごろからロシアやアメリカなど、各国の船が次々と日本の沖にやってきて開国を迫りました。ペリーの黒船が有名です。そして、江戸幕府は諸外国からの圧力によって、日本200年以上続けていた鎖国を解くことになり、1859年に横浜をはじめとして、4つの港を開き、外国との貿易を許可することになりました。

それまで禁忌とされていた肉食も解禁となり、日本にはアメリカやヨーロッパからやってきたたくさんの商船によって、西洋の食文化がもたらされました。

最初のころは、長崎や横浜、函館などで、日本にやってくる西洋人が住む居留地やホテル、レストランが開かれ、洋食がメニューに出されるようになりました。その後、明治6年には東京にも西洋料理レストランが開かれています。しかし、明治時代のはじめごろは、外国人や富裕層、政治家など、限られた人たちの口にしか入らない料理でした。

明治時代の中期ごろから後期になると、少しずつ庶民にも西洋の料理が広まっていくようになります。外国人シェフから料理を学んだ日本人シェフが、各地で西洋料理のレストランを開店するようになります。

洋食はいつごろから生まれた?

今は安く手軽に入手できるような肉や野菜であっても、明治時代では、西洋料理の食材はとても高価なもので、入手が困難なものばかりでした。そのため代用となる食材を使い、そして、日本人の口に合う料理、日本風の西洋料理、つまり洋食が作り出されていったのです。

今なお営業をしている銀座の西洋料理店で、トンカツ、オムライス、エビフライ、ハヤシライス、コロッケといった今も人気の洋食メニューが考え出されました。トンカツに千切りキャベツ、ソースといった食べ方が登場したのもこのお店です。

明治の終わりごろから、これらの洋食メニューを提供するレストランがさらに登場していきました。こうして洋食は、日本人に馴染みの深い料理となっていったのです。

ファミリーにも人気のあのメニューの由来とは?

今でも幅広い世代人気の洋食メニューが、どのように生まれたのか見ていきましょう。

ナポリタンの由来とは

洋食の定番メニューのひとつであるナポリタンも、日本で生まれた洋食です。昭和20年代、第二次世界大戦後すぐ、横浜の老舗ホテルで登場したといわれています。

当時は多くのアメリカ兵が横浜に進駐していました。その時に、アメリカ兵がスパゲッティをゆでケチャップを和えて食べていたことをヒントに、トマトソースでハムやマッシュルームといった食材を和えたメニューが考え出されました。ナポリの料理に似ているので「ナポリタン」と名づけ、現在まで愛されています。東日本では「ナポリタン」ですが、西日本では「イタリアン」と呼ばれていることが多いようです。

オムライスの由来とは

オムライスは、日本で生まれた洋食です。オムライスという言葉も日本独自のもので、フランス語のオムレツと、英語のライスを合わせた合成語です。オムレツは、明治の最初のころから「オームレット」という卵焼きとして食べられていたといわれています。

オムライスの由来となったといわれている洋食店は、複数あります。明治創業の銀座のレストランでは、元々は従業員のまかないとして作られたライスが入ったオムレツが「ライスオムレツ」という名前でメニューに登場したのがきっかけという説がひとつです。ケチャップは明治時代にはなく、ご飯と卵を混ぜ、塩とコショウで味付けしたものだったようです。

もうひとつの発祥とされているのが、大正時代に創業した大阪の洋食店です。柔らかいものしか食べられず、オムレツとライスを食べていた常連のお客のために、店主がケチャップライスをオムレツでくるんで提供を「オムライス」と名づけたことが最初だといわれています。

まとめ

この記事では、ファミリーにも人気の洋食について、その成り立ちや歴史、由来などについてご紹介してきました。洋食をいただく際には、ぜひ歴史にも思いをはせてみてください。

当店「ダイニングキッチンLegame」は、千駄木にある親しみやすい雰囲気を持ったレストランです。洋食を日常のなかで楽しんでいただきたいという思いで、さまざまな本格メニューを気軽に楽しんでいただけるようにしております。ぜひ一度、お気軽にお越しください。