昔も今も人気!日本人のソウルフード、日本生まれの「ナポリタン」に迫る!

カルボナーラやペペロンチーノ、ボンゴレなど…スパゲッティといえばイタリアの料理ですが、日本において深く浸透している料理のひとつではないでしょうか。

ところがそんなスパゲッティの中でも、日本人に古くから愛され、日本人のソウルフードとも称されるスパゲッティが存在します。それは、「ナポリタン」です。そんなナポリタンの誕生の歴史や日本におけるナポリタン人気の変遷などをひも解いていきましょう。

ナポリタン誕生の歴史

まずは、ナポリタン誕生の歴史について見ていきます。日本生まれのスパゲッティだというのは、本当なのでしょうか。

ナポリタンの原型はイタリア南部のナポリで誕生

イタリア南部のナポリ地方は、トマトで有名です。スパゲッティもトマトソースのものがよく食べられていました。ナポリからニューヨークに移民した者たちは、ニューヨークでナポリのようなおいしいトマトが手に入れられないことから、トマトケチャップで代用してスパゲッティを作りました。このスパゲッティがおいしいと、アメリカ全土に広まっていたのです。

日本におけるナポリタンの発祥

日本におけるナポリタンの発祥については、諸説あります。中でも有力なのが、日本で初めてナポリタンを提供したのは1927年創業の横浜を代表する老舗ホテル「ホテルニューグランド」だとする説です。

ホテルニューグランドは日本を訪れる西洋人をもてなすことを意識したホテルで、総料理長もフランスから呼び寄せました。このフランス人シェフが考案したのがトマトソースやチーズで味付けされたスパゲッティであり、ナポリタンの原型だといわれています。

ナポリタンにGHQが関係していた?

終戦後である1945年、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーによって米軍占領が開始されました。その際、GHQ将校の宿舎になったのがホテルニューグランドだったのです。彼らが持ち込んだ保存食にあったのが、大量のスパゲッティとトマトケチャップでした。米兵たちは、トマトケチャップと塩・こしょうで味付けしたスパゲッティを好んで食べていました。

米軍たちが引き上げた後、大量に残されたスパゲッティを目にした戦後2代目の総料理長・入江茂忠氏がそのスパゲッティに改良を加えて、トマトケチャップ味のスパゲッティを考案しました。ニンニク・玉ねぎのみじん切りを飴色に炒めて水煮のトマトと生トマト、トマトペーストを加えて、オリーブオイルとローリエで味を調えソースを作ります。スパゲッティと絡めたら「スパゲッティ ナポリタン」の完成です。

つまり、ナポリタンは何を隠そう日本で誕生したスパゲッティになります。海外で食べようと思っても、海外のパスタ店にナポリタンはないのです。

日本におけるスパゲッティの人気の変遷

ここからは、日本で誕生したスパゲッティの人気の変遷を見ていきます。

スパゲッティといえば「ナポリタン」時代

1980年代以前は、スパゲッティといえばナポリタンでした。喫茶店で提供される定番メニューのひとつでもあり、ハンバーグと一緒に盛り付けられることも多々ありました。

バブル全盛期はナポリタン低迷期

バブル時代に、イタリアンが大流行しました。ティラミスを筆頭に、ピザやスパゲッティといったイタリアンが人気を博し、イタリアンのレストランが増えたのもこの頃です。スパゲッティも、今までのナポリタン一択から、ボンゴレやペスカトーレ、ペペロンチーノやカルボナーラなど、さまざまな種類が日本に紹介されるようになりました。

そして、スパゲッティの本場の茹で方であるやや芯を残した「アルデンテ」が知られるようになると、昔ながらの日本のスパゲッティであるナポリタンは、「ダサい」「古臭い」と思われるようになってしまったのです。そして、ナポリタンを提供する店も激減していきます。

レトロブームでナポリタンが復活!

2000年代半ばになると、昭和ブーム・レトロブームが巻き起こりました。そして、ナポリタンやクリームソーダといった喫茶店メニューが脚光を浴びるようになったのです。往年のナポリタンを知っている世代にとっては懐かしい味であるナポリタンも、若者にとっては新鮮な味だと感じられるのでしょう。鮮やかな色合いが写真映えすることもあって、今またナポリタンブームが復活しているのです。

ナポリタンの名前の由来

トマトで味付けした料理は、元々フランス料理で「ナポリ風」と付けるのが一般的でした。トマトソースのスパゲッティは、「スパゲッティ・ア・ラ・ナポリテーヌ」と呼ばれました。その「ナポリテーヌ」が日本に伝わり、いつの間にか日本では「ナポリタン」と呼ばれるようになったのです。「ナポリタン」という名前も、日本で誕生したとは驚きです。

定番のナポリタンのレシピ

今やナポリタンと一口にいっても具材や味付けはさまざまなアレンジがされていますが、定番のナポリタンとはどのようなものなのでしょうか。

ピーマン・ハム・玉ねぎなどの具材を炒めてトマトソースで和えたソースを茹でたスパゲッティに絡めるのが、定番のレシピです。具材は、芝エビやマッシュルーム、サラミなどを加えることもあります。

まとめ

ナポリタンの歴史は意外や意外、ナポリではなく日本で始まったのです。レトロブームに乗って、今また再注目されているナポリタンは、多くのレストランや喫茶店で提供されています。どこか懐かしさを感じる日本人のソウルフード、ナポリタンを味わってみましょう。

「ダイニングキッチンLegame」でも、ナポリタンを提供しております。熱々の鉄板に乗せて提供する「熱々鉄板ナポリタン」は、見た目のインパクトもあり写真映えもすると好評をいただいております。もちろん味にも自信があります。ぜひ一度、当店のナポリタンを味わいにいらしてください。